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雪の西穂独標。
2010年 12月 22日 *
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西穂独標(にしほどっぴょう)2.701m
山に興味のない人にはなんのこっちゃかもしれないですね。
私も最初はなんて読むのかもわかりませんでした。

独標とは「独立標高点」の略で、本来は「地図上で標高が記載された点」という意味でしょうか。
しかし、山登りで「独標」といえば一般的に西穂独標のことを言うようです。
西穂高岳に続く稜線上にある一ピークなんですが、山の名前みたいになっているんですね。
というのも、ロープウェイから来た場合、西穂独標がちょうど関所のようなポイントになるのです。
独標より先、西穂高岳を経由して槍ヶ岳までは北アの中でも険しい岩稜帯が続きます。
覚悟を持って進まなければいけません。
特に冬はこの区切りが顕著で、独標から先は雪山経験を積んだ人しか進むことを許されない世界なのです。

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そんな冬の西穂独標におなじみkojiさんと共に行ってきました。
冬の北アルプスの入門といわれる独標ですが、入門といえど急峻な岩場をアイゼンで歩くことを求められます。
kojiさんは何度も冬の独標には登っており、今年の2月には奥さんのmieさんも共に登っています。
私も冬はスキーをメインとしていますが、独標はなんとか登っておきたいと思っていました。

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新穂高ロープウェイを降りると、通年営業の西穂山荘までは樹林帯を歩きます。
雨男の私としては奇跡的な快晴。雲ひとつありません。
12月後半の2000mオーバーとは思えない気温で、フリースと薄手のインナーグローブのみで歩き始めます。
しっかりトレースのついた道をアイゼン無しで歩きます。
多くの人はアイゼンを付けていましたが、雪国育ちの私達は必要を感じない程度でした。
GWの鳳凰で、アイゼンは「必要な時だけ付ける」ことを学びました。体力の消耗が全然違うのです。
もちろんいつも同じ条件ではないので、見極めは大事です。
山荘までならアイゼン不要とは思わないでください・・・。
雪の量次第ではワカン・スノーシューが必要かも。

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一時間ほどの快適なスノーハイクで、西穂山荘到着。
そのまま独標に向かいます。
稜線に出るとさすがに風が強い。
ジャケットを着て、アイゼン・ピッケルを装備します。
雪山気分が盛り上がってきましたよ!!
稜線の雪はカチカチと言うわけではなく、程よく締まっています。
やはりバラクラバもつければ良かったかな~と思い始めたころ、独標の取り付きに到着。

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いきなり山の様相が変ります。
写真で見ていた感じより全体的に黒いような?
雪が少ないのでしょうか。
慎重に足の置き場を探りつつ登って行きます。
ピッケルが邪魔に感じます。どう扱うと良いのか・・・。
いろいろ試行錯誤していると、突然視界が開け、ピークについちゃいました!

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想像以上に広いピーク。
なぜか風が止みました。
意外にあっけなく登れたことに気をよくして、コーヒータイムです。
こんなことなら、「ヤカンのある風景@独標」すればよかった。

この日は多くの人が西穂高岳に挑戦したらしく、ちょうど戻ってきた人たちと一緒になりました。
みなさん、ハーネスを装着し、ロープも装備しています。
ここから先はそういう世界なのです。自分にはまだ行けない領域・・・。
んっ。そんな人たちに混じって、6本爪の軽アイゼンにスキーのストックの人がいるんですが!?
グローブも〇ルペンのワゴンセールで売ってるようなものだし。
西穂なんて余裕な超エキスパートか、なにか勘違いしてる人なのか。
なんにせよ無事でよかったですねぇ。

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この日の核心部は、登りじゃなく独標からの下り。
みなさん下りのほうが圧倒的に怖いと言っています。
実は登りが割とすんなりいけたので、意外とたいしたことないんじゃ?と思ってました。

しかし、最初の一歩を踏み出した瞬間、あまい考えだったことを実感したのです・・・。
とりあえず、雪の付いたところを狙って足を置くのですが、実は岩の上にうっすら雪が
乗ってるだけじゃないのか?とか考えてしまうのです。
アイゼンが刺さらなくてズリっと滑ったら??

すぐに後ろ向きで降りることに切り替えました。
雪のついていない岩角を手がかりにしながら、足でスタンスを探します。
適当なホールドが見当たらない時はピッケルを打ち込んで手がかりに・・・。
ピッケルのピック、滑落停止訓練以外で初めて使いましたよ。

自分でも情け無いほど腰が引けてるのがわかります(汗)
西穂から戻ってきたパーティがすぐ後に降りてきて、ちょっと詰まってきました。
ゆっくりで良いよといってくれたので、お言葉に甘えてマイペースで下ります。
この状況でカッコつけてもしょうがないので・・・。

ふう~。なんとか無事下りきりました。
久々にスリルを味わいましたよ。

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残りの行程はひたすら来た道を下るだけ。
視界もクリアで、道迷いの心配も無し。自ら望まない限り滑落の心配も無し。
緊張から開放されて、快晴の稜線歩きを楽しみます。
トップの写真はこの時のもの。
丸山に立ってるのは、先行するkojiさん。

程なくして、西穂山荘に到着です。
お約束の名物ラーメンをいただいて、二時過ぎにはロープウェイの駅でした。

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最高の条件で、初めての雪の北アルプスデビューを果たせました。
独標と言えど、雪の量や、凍結具合、はたまたガスにまかれたりと条件次第では
私の手に負えないこともあるでしょう。
今回、独標直下の岩場以外は、危険な要素はほとんど無かったと思います。
おかげで、目的だったアイゼンでの岩場歩きに集中できました。

数年前までは、雪山=ゲレンデだった私ですが、まさか岩場をアイゼンでゴリゴリ歩くとは・・・。
登山にせよ、バックカントリーにせよ、ゲレンデだけじゃ味わえない世界が広がっています。
もちろんリスクは増えますが、ちゃんとした装備と知識を身に付ければ無茶な行為では無いと思っています。
けして手の届かない世界ではありません。
興味のある方は、一歩踏み出してみては・・・。

初めてにして、最高の条件を味わっちゃいましたが、また来たいと思います。
そして、kojiさん、今回もありがとうございました!!
by daisuke_youmei | 2010-12-22 00:45 *
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