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岐阜サイクリング1 「ねじりまんぽ」をさがす
2015年 12月 08日 *
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先日の京都で、とても感動した「ねじりまんぽ」。
ネットで調べてみると、近県の岐阜・滋賀にも多数存在しているようだ。
というわけで「関ヶ原」から「大垣」近辺にある、3つの「ねじりまんぽ」をつなぐサイクリングに行ってきた。

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関ヶ原の某公園に駐車させてもらい、8:30に出発する。
今年の秋は暖かかったが、さすがに12月も回ると寒い。
冬用のウェアにネックウォーマーとシューズカバー、厚手のグローブで完全防備なのだが、指先が冷たくて痛い。

一つ目の「ねじりまんぽ」は、出発してすぐの「野上」という地区にある「小田原川橋梁」だ。
今回巡る3つの「ねじりまんぽ」は、すべて「東海道本線」の下をくぐり抜けるためのトンネルなのだが、「小田原川橋梁」はその名の通り、通路ではなく水が流れる水路だった。
水路なので、残念ながら中を通過することはできないが、覗きこむとしっかリネジれている!
ネジれ具合に満足して一つ目を後にする。

※※

線路沿いの道を走り「国道21号線」と交差するところで「水の文化マンボ」と書いてある奇妙な看板を見つけた。
看板の前には鉄製の蓋がされたマンホールらしきものが見える。
普段なら素通りするところだが、なんせ今回は「まんぽ」を探すのが今回の目的である。
前回も書いたが、「まんぽ」はトンネルの意味で、地方によっては「まんぷ」や「まんぼ」とも呼ばれるようだ。
これはちょっと見過ごすことはできない。

看板の内容によると素掘りの横穴が1kmほど続いているらしいが、穴は鉄の蓋で塞がれ、覗くことは不可能。
後ろ髪引かれつつ先へ進むと、また同じ看板と蓋のされたマンホール状のものが。
おまけに、なんだか「詩」らしきものが書かれた看板も併設されているではないか。
見た瞬間はちょっと不気味に感じたが、改めて読むと先人への感謝を詠ったもののようだ。

帰宅後調べると、「関ヶ原」は台地上にあり、かつては安定した農業用水の確保が難しい地域だったらしい。
そのため、用水を引くために長い横穴を掘ったのだが、息抜きや排土用の竪穴がこのマンホールの正体のようだ。
なにしろ長さ1kmもの素掘りの横穴、当時は間違いなく命がけで掘ったと思われる。
そんな先人の努力を、後世に伝えようと立てられた看板だったのだろう。

※※

本題の「ねじりまんぽ」に戻る。
2つ目は「大垣市」にあるので、しばらく走ることになる。
車なら「国道21号線」というところだが、せっかくのサイクリングなので「中山道」をたどることにした。
さすが「五街道」の一つだけあって、そこかしこに歴史を感じることができる素晴らしい道だったが、今回は詳細の記述はパス。
いずれ機会があれば、街道をメインに走ってみたい。

「平野井川」辺りで「中山道」を離れ、「東海道本線」の沿線に向かう。
2つ目の「ねじりまんぽ」は、「新開町」にある「甲大門西橋梁」だ。
田園地帯の中の水路だった一つ目と違い、こちらは住宅地の中にある道路だった。
想像していたより小さいトンネルで、中を通り抜けると少々圧迫感を感じる。
天井には電灯が付けられ、普段の通路としてしっかり現役のようだ。
中から外を見ると、螺旋を描くようの積まれたレンガが美しい。
そして外側のトンネルの縁には、捻れ分の段差が付けられている。
ひとしきり「ねじりまんぽ」内を行ったり来たりして(怪しい…)ここを後にした。

※※

3つ目に向かうために、そのまま沿線を走る。
やがて「揖斐川」にぶつかるが、堤防の手前でまた面白いものを見つけた。
「ねじりまんぽ」では無い、まっすぐなレンガ積みのトンネルだが、通路と水路のメガネになっている。
下調べはしていなかったが「宮東橋梁」と言うらしい。
これはこれで面白い造形だ。

そして、堤防に上がり「揖斐川」を渡る。
たまたま通ろうとした「揖斐川橋」だが、この橋が実はすごい橋だった。
なんと「東海道本線」が開通した当時の鉄橋で、現在は歩行者と自転車専用の橋として利用されているのだ。
明治19年に製作されたこの橋は、国指定の重要文化財になっている。
自転車で通ると、とても汽車が走っていたとは思えないほどコンパクトな鉄橋だった。
その筋の人たちには有名なようだが、今回通らなかったら、私はこの橋のことは知らなかっただろう。

※※

ようやく最後、三つ目の「ねじりまんぽ」に近づいて来た。
「揖斐川」を渡ってすぐ、二つ目とそれほど離れていない場所になるが、川が市境なので大垣市から瑞穂市になる。
「横屋」という、市街から少し離れたのどかな住宅地にある「甲中吹橋梁」だ。
二つ目の「甲大門西橋梁」とかなりよく似た感じだが、こちらは天井に電灯は無く、北側は鉄板で補強されていた。
外側が蔓草で覆われているのもいい雰囲気だ。

岐阜サイクリング1 「ねじりまんぽ」をさがす_c0087773_2111192.jpg

これで、今回の「ねじりまんぽ」を探す旅は終了。
探すと行っても、今はネットで詳細な位置が特定できてしまうので、全く苦労は無いのだが。
しかし、現場のもつ雰囲気はやはり格別だし、次々と思わぬ発見があるのは、なかなかにエキサイティングだった。
往年の先端技術で作られた土木構造物が、一般的にはほとんど意識されることもなく、ひっそりと生活に溶け込んでいるのは面白い。
やはりこういったものを探しに行くには、車より小回りのきく自転車がちょうど良いね。

実は今回のサイクリング、まだ先がある。
長くなったので後半につづく。
by daisuke_youmei | 2015-12-08 21:47 | 自転車 *
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