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スキー工作その1 ~ウロコ板を作る~
2013年 04月 08日 *
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スキーシーズンも終了間近ですが、思いつきで「ウロコ板」を作ってみました。

「ウロコ板(ステップソール)」とは、後ろ向きへの滑り止めをソールに施すことでシールを使わずに斜面が登れるスキーのことです。
その滑り止めのパターンが「鱗」のように見えることからこう呼ばれるのでしょう。
一般的には、テレマークやクロスカントリーなどの、いわゆるノルディックスキーに使われることが多いと思います。
シールほどの登行能力は無いですが、登りと滑りがシームレスなのがウロコの魅力。
常にヒールフリーなノルディックスキーと相性がいいのも頷けます。

私はアルペンスキー専門ですが、実はテレマークにもずいぶん前から興味があります。(雑誌SOUL SLIDEもよく買ってます)
特に「細板革靴」とよばるクラシックなスタイルや、最近良く聞く「BCクロカン」なんて世界には憧れますね~。
まあ、今はまだアルペンスキーでやりたいことがあるので、テレマークの楽しみは将来にとっておきますが・・・。

そんな将来のための第一歩ってわけでもないのですが、突然「ウロコ」を体験してみたくなりました。
この前も書きましたが、子供を連れた「ネイチャースキー」的な遊びをすると、シールの着脱がメンドウなんですよね。
ふと「こういうときの『ウロコ』なんでは?」と思い立った訳なんです。
加えて、3歳になる娘も来シーズンはスキーデビューさせてみようかと思っています。
まずはキッズゲレンデになると思うんですけど、それもスキーのまま登れたら楽だなと。
少し慣れてゲレンデに出た際も、なにかと登り返すことがありそうですしね。
(私のホームゲレンデでは、日によってはキッズゲレンデは貸切状態になります。混雑時には避けたほうが無難かも。)

という、中途ハンパな理由なんで、とりあえずは「ウロコ板」のお試しにと、自作に踏み切ったわけです。

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えーっと、ニワカなんで詳しくはわからないのですが、「ウロコ」にも大きく分けて「ポジ」と「ネガ」があるようです。
ひっかかりが凸(ポジ)か凹(ネガ)かということみたいですが、自作となると削るので「ネガ」パターンしか作れません。
登行能力はもちろん「ポジ」パターンのほうが優れているようですが、こればっかりは仕方ないですね。

実際に、手持ちの板に「ウロコ」を彫るサービスをしているショップもあるようで、ネガパターンでもソコソコ登れるのかな?
そんなショップの施工例の写真を参考に加工に踏み切りました。

ベースとなる板は、フリースタイルスキーで一世を風靡したディナスターの「Trouble Maker」
手持ちの板では一番細いセンター幅「78mm」です。
この板の頃から興味がフリーライドに移ってきたので、あまりジブっていなくて状態は良いかな。

「ウロコ」の範囲は、全長の約40%とどこかに書いてあったので、175cmの板だからセンターを中心に70cmの範囲で入れます。
今回、切削の刃物は木工用の「ボアビット 15mm」を使用します。
この刃物は中心にキリが出ているので、注意してサンダーで削り落としました。

センター幅の78mmからエッジを含めた5mm程度を差し引き、横に4つのウロコを並べることにします。
前後のピッチは細かすぎると加工が大変なので、適当に中心間で12mmとして下のような図面をCADで書きました。
刃物のφ15を半円まで削るとして、約8度傾けると最深部で1mmほどのウロコが掘れるはずです。
(7.5(半径)×tan8=1.054)
滑走面は2mmも無さそうなんで、1mm程度が無難でしょう。
スキー工作その1 ~ウロコ板を作る~_c0087773_17223212.jpg

トレペに印刷した図面を両面テープで板に張り付け、これを大体の目安にして加工していきます。
今回は、コメリで7980円で手に入れた卓上ボール盤を使用します。
ボール盤のテーブルを8度傾け、スキーを支えるための角材を固定します。
加工深さを刃物が滑走面に当たってから1mmと設定し、ゴリゴリ切削していきます。
最初は「バイスで固定して」とも考えていましたが、片方で188個、両方では計376個も掘らなければいけません・・・。
多少のずれは気にせず「大胆に」加工しないと途方もない時間がかかってしまいそうです。

ひたすら削り、最後にバリ取りをすると、トップ写真のようなソールが出来上がります。

遠目にはそれっぽくなったでしょうか(笑)
実際は適当な加工のせいで、滑走面を破っているところが一部あります。
そして、安物の刃物(約600円)のため加工面が汚いです。
本来なら、樹脂用のエンドミルなんか使うといいのでしょうが、へたすりゃボール盤より高くなっちゃう。
素人作業ならこんなもんですかね?

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本来ならテレマーク等で使用するのが最良なのですが、今回はアルパインツーリング用のビンディングを装着します。
しかし、少しでも「滑走」と「歩行」をスムーズに繋げるためには、ブーツを装着したままモード切り替えができないとダメ。
(「ディナフィットTLT」も「マーカーTOUR F12」もブーツから外さないとモード切替ができない)
というわけで、シーズン初めにPONTOONに装着したばかりの「NAXO nx21」を再び移植し直します。

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昨日、本来ならテストのために取立山くらい行こうかと思っていたのですが、爆弾低気圧の影響で山に入るわけにもいかず・・・。
雨の降るスキージャム最終日、お金を使ってテストしてきました(笑)

結果は「シールの登行能力には全然及ばないけど、適当な作りの割りに結構に登れる!」
特に、途中から雨が雪に代わり、ザラメの上にうっすら新雪が積もった状態になるとそこそこ登れました。
「逆ハの字で登る」くらいの斜度までならOKで、「カニ(階段登行)で登る斜度」だとちとキビシい。

一応、ウロコの作成から、テストの様子まで簡単なムービーを作ってみたので興味のある人は見てみてください。



今回作ったウロコスキーは、登行能力や重量などなど、やっぱり娘とゲレンデで遊ぶ程度のものでしょう。
でも「登りと滑りがシームレス」というウロコの魅力の片鱗は感じられた気がします。
近い将来、ちゃんとした「ウロコ板」の導入もやぶさかではないかも!?
もちろんテレマークが理想だけど、細くて軽いウロコに「エボリューションライト」なんてビンの組み合わせも面白そう。
細いウロコ板で緩やかなアップダウンのクラシックルートをのんびり歩いたら気持ちいいだろうな。

「ファット」「ロッカー」「TLT」と、今時の山スキーとはすべてにおいて反対な「ウロコ」なスキー。
一つにとらわれず、いろんな方向性のスキーを楽しんでみたいです♪
by daisuke_youmei | 2013-04-08 17:27 | 山道具 *
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