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ロングツアーでの武器 ~Dynafit TLTビンディング~
2013年 03月 24日 *
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ここ数年は「ロシS3+マーカーTOUR F12」をメインに、ゲレパウ用として「K2 PONTOON」の二本体制で楽しんでいました。
特に「S3」の汎用性は素晴らしく、ゲレンデから山スキーまで、多くののシチュエーションで満足感を得ることができます。
しいて不満を挙げれば、滑走性能を重視して選んだ組み合わせのため、重量的には決して軽くないことでしょうか・・・。
でも、県内の里山を3・4時間程度ハイクアップするくらいなら十分許容範囲なのです。

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「多少滑走性能を犠牲にしても軽いスキーが欲しい」
そんなふうに思ったのは、昨シーズンのシメに行った白山東面台地のことです。
平瀬ゲートから約2時間自転車を漕ぎ、大白川でスキーを履いてからもさらに標高差は1500M。
スタートから白山山頂まで約8時間半、疲労も達成感もハンパ無い山行でした。
「気持ちよく滑り降りるためのスキー」だけでなく、「スピーディな移動のためのスキー」の魅力を知った山行でもありました。
軽いスキーならもっと軽快に春の大きな雪山(私にとっては白山)を楽しめるのでは・・・?
そんな考えを持つのは当然の成り行きでしょう・・・。

ちょうどそんな折、山スキーを新調したH田先輩から旧セットを譲っていただけることになりました!
「KARHUのSTORM」という板に「DynafitのTLTビンディング」を組み合わせたものです。
願ってもいないチャンスで、話を聞いたその日に頂きにいってしまいました(笑)

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重量は「S3+TOUR F12」が片側2800gに対し、2200g。
手で持ち比べると、少し軽いかな?程度ですが、実際登ってみると体感重量はまったく違います。
やはり足を上げたとき、ブーツにくっついてくるパーツが無いからなのでしょう。

そして従来の構造では、トゥピースの下に回転軸が来ますが、TLTはブーツの爪先が直接回転軸になります。
このため、キックターン時にはダイレクトに板を操作しているような感覚があり、私はとても好印象でした。
はっきり言って、想像以上に軽快!!多くの人が乗り換える理由がわかります。

板の方は、昔から一度乗ってみたかった「KARHU」で、デザインも渋くてカッコいい。
長さ170cmは普段のチョイスからすると短目ですが、ノーマルキャンバー&テールカットなので長さ以上の安定感。
当然、短い分単純に重量も軽くなります。
おまけにストレートカットのテールだから、シールクリップの収まりのよさに感動しました(笑)
なんとツインチップじゃない板を手にするのは高校生の時の「K2 スコーチャー(懐かしい)」以来!

センター幅は96mmと、軽さを追求するとなるとちょっと太目かもしれません。
でもここ数年、センター95mm以上の板しか乗っていないので、80mm台の板に乗るのは不安かな・・・。
パウダーでは基本的に使いませんが、緩んだザラメだとこれくらいあってもいいでしょう。

けっこう張りのある板なので、最初は戸惑いましたが、ゲレンデで乗り込むうちに踏むポイントがつかめてきました。
正直滑りの楽しさは「S3」にかないませんが、登りと滑りのバランスは、私にとってはちょうど良いかなと思っています。
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ともかく、ロングツアーではこのスキーは強力な武器になってくれそうです。
クセを掴むためにゲレンデでは結構滑りましたが、山ではまだワリエと行った大日峠くらい。
本格投入は4月後半の白山の予定です。

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想像以上に好印象だったTLTビンディングですが、一応私の考えを一言。
あくまで私のスキー歴をもとにした意見なので製品の批判ではありません。

「TLTビンディング」、言わずもがな昨今の山スキー用ビンディングの(少なくとも私の周りでは)トップシェア。
「圧倒的な軽さ」が売りですが、「滑り」をメインとして考えると、今のところまだ選択肢には入りません。
「S3」をTLTに換装するつもりは無く、むしろより丈夫な「バロン」等にしたいくらい。

というのも滑走性能はともかく、イマイチ不透明な開放機能に不安があるからです。
改めてネットで情報を探しても、どうもはっきりしません(詳しい方教えてください!)
ROCK&SNOWの058にも開放機能云々の記述があります。(※下に追記あり)
まあ、本当のところはどうであろうが、自分が20年以上使い続けた従来のシステムの安心感にはかないません。
心配性なので、「大丈夫だろうか?」と考えながらでは思い切って滑れないのです。

今でこそほとんど転びませんが、パークで遊んでいた頃は転ぶことが日常茶飯事でした。
一日で板は何度も外れ、1シーズンで板もビンディングもボロボロでした。
もしビンディングに開放機能が無ければ、今の私の脚はスキーができる状態ではなかったかもしれません・・・。

私のスキー歴で一番ヒドい怪我は左足の内側側副靱帯を損傷し2週間のギブス生活をしたとき。
これは山スキーの時ですが、パウダーで足を取られ転倒、転がりながら立木に板が絡まり脚をネジったようです。
転倒後、木に絡まりついたスキーを外すのに苦労しました。
そのときは何とか下山できましたが、もしビンディングが開放しなかったらどうなっていたのでしょうか・・・。
ちなみに、スノーシューで登っていたのでゲレンデ用のアルペンビンディング使用時の話です。

「ふだんは誤開放せず、危険なときはきっちり開放」
この相反する要素は、やはりビンディングにとって一番大切な機能だと思います。
エクストリームなラインでは下手に外れない方がいいのでしょうが、私の滑る場所では果たしてどうでしょうか。

「山スキーのときはゲレンデの8割の滑りで。ゲレンデの練習でその8割を底上げする。」
上記の怪我以来、これを肝に銘じているつもりです。
まだまだ使い慣れないTLTビンディング、今のところ、さらに一割くらい抑えて滑っておこうと思います。
TLTの魅力を感じ始めた今、メリット・デメリットをちゃんと理解し、適材適所で使い分けたいです。

※追記
ROCK&SNOWの058の記事を書いたライターの方のブログに、記事の補足が載っていました。
テックビンディングのトゥーピースのロックに関する事が書いてあります。
Laboratorismのブログの2012.12.10のエントリーです。
by daisuke_youmei | 2013-03-24 08:04 | 山道具 *
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