山スキー ビンディング考察
2011年 03月 10日
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スキー板を新調するにあたり、板以上に悩んだのがビンディング。
※注 ここでは歩行モード(踵が上がる)がついた山スキー用ビンディングの話です。
スノーシューでハイクしていた私が、先シーズンより山ビンディング+シールでのハイクアップに切り替えました。
きっかけは、NAXOのNX21というビンを安く譲ってもらえたからです。
それまでは一緒に滑るのは、ほとんどがスノーボーダー。
シール登行のメリットがイマイチ分らなかったので、高価なビンディング+シールの購入に踏み切れなかったんですね。
いざ使い出してみると、スノーシューより圧倒的に楽なハイクアップに感動しました。
もはやスノーシューには戻れないなと思っていたのですが・・・。
ここ最近、滑りにおいて気になる点が浮上してきたのです。
硬い雪でのエッジグリップが悪いのでは・・・?
なんでいまさらと記憶をたどると(こういうときブログしてると便利)先シーズンは硬い雪を滑っていなかった!
1月~2月前半はパウダーばかり、2月後半は雪山講習会が続き、3月はじめには盲腸で入院しちゃったので・・・。
この前の銀杏峯が、ビンの換装をしてから、実質初めてのカチカチ斜面。
その時違和感を感じ、翌週にはあえてカチカチのゲレンデに繰り出して急斜面で何度もテストしました。
結果、やはり硬い雪ではイマイチ。
最終的には、ターン中に誤開放、数メートル滑落して木に脇腹をぶつけて停止しました・・・。
エッジが効かないというか、思うようにズレをコントロールできないというか。
ダ・ダ・ダ・ダと振動してきれいにズレてくれないんです・・・。
上記の誤開放も、この振動が原因じゃないかと。
もちろん、単に技術力不足じゃないの?って意見も否定はしません。
ただ、この時の板(K2セスピストル)は三回目のビンディング乗せ変え。
前二回の普通のアルペンビンの時にはここまで違和感を感じませんでした。
新婚旅行で行ったカナダでの、ありえないくらいカチカチ(泣)なゲレンデでも問題なく滑っていたし。
というわけで、いろいろビンディングを観察していたらあることに気づきました。
板の前後方向の軸(長軸)に対してビンディングがネジれる方向の強度がとても弱いのです。
ヒール側をロックした状態で、指で押すだけでも簡単にネジれてしまいます。
指の力でこんな状態。実際の滑走中はどれだけネジれているのか・・・。
このネジれが原因で、意図した角づけと実際の角づけが違ってくるのではないでしょうか。
極端な話、ブーツと板がグラグラな状態。
エッジがかんだりずれたりを繰り返し、例の振動になるのかなと。
いろいろ調べてみると、同じような仕組みのディアミールにも、やはり同じような問題が指摘されていました。
フリーになる踵を、一点だけで固定するという構造上、仕方の無いことなのかもしれません。
ようやく、ディアミールやNAXOでは、滑走性能はアルペンビンにかなわないと言われている理由が理解できました。
同時に、滑走性能はアルペンビンと遜色ないといわれるマーカーのヒール固定方法の理由も納得いきました。(図1)
あの故・新井裕己氏も、ディアミールからデュークに換装したら、板の性能を発揮できるようになったと書いてましたし。
と言う訳で、マーカーのデューク&バロンと基本構造は同じで、軽量化を施した「TOUR F12」をチョイスしてみました。
ディアミールの新型「フリーライド・プロ」とほぼ同じ重さで、上記の構造上、滑走性能はおそらくは上?
ハイクアップの機能性ではディアミールの方が上かもしれませんが・・・。
NAXOは代理店が撤退した?残念ながら候補外です。
今話題のDynafit TLTやG3 ONYXのTECHビンディングも非常に興味があり、かなり気持ちが傾いていました。
しかし、誤開放を防ぐために、多くの方がトゥピースをロックして滑っているらしく、この点が不安。
ブーツは対応しているのですが、今回は見送りました。
やはり、外れて欲しいときは外れて、誤開放は極力しないってのは、ビンの基本的な性能かなと。
今期は、いろんな雑誌でもTECHビンディングの話題でもちきり。
マーカーのTOURシリーズや、ディアミールのフリーライド・プロの情報がほとんどない・・・。
実際使用されている方のブログに質問したりと、なんとか自分的には納得した上での導入となりました。
重量、歩行性能、滑走性能・・・。
各モデルに得意・不得意分野があると思います。
個人個人の志向に合ったチョイスをすることが大切なんでしょうね。
各雑誌も、板の記事ばかりでなく、ビンの比較もしてもらいたいものです。
実際使用してのインプレッションは後日したいと思います。
by daisuke_youmei
| 2011-03-10 23:08
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